改定住基法施行に伴う自治体アンケート
(第3次アンケート:2014年)

集計結果 第3次アンケート・レポート全文(pdf 677k)

第1次自治体アンケート(2012年)集計結果は »こちら
第2次自治体アンケート(法施行後・2013年)集計結果は »こちら

総務省による「地域における多文化共生プラン」の策定、改定住基法施行といった国レベルの外国人政策の変化をうけて、各自治体における外国人施策がどのように進展しているかを検討するとともに、改定法施行3年後の見直しに向けた課題を抽出するために、県庁所在地、政令指定都市、東京23区及び集住都市会議参加自治体の計101自治体を対象として、「改定住基法施行後の外国人施策に関するアンケート」を実施しました。

主な調査項目は、①外国人住民数等、②住民基本台等への記載等、③法務省からの通知に対する対応、④外国人施策であり、68自治体から有効回答をえることができました。

調査結果のポイントは以下のとおりです。

  1. 外国人居住の地域差は大きく、外国人住民比率、居住する外国人住民の国籍別・在留資格別構成は多様である。したがって、各自治体は、居住する外国人住民の特性に即した対応が求められる。
  2. 住民基本台帳への漢字名の記載が正字のみであることに対して、24自治体(35.3%)で外国人住民からのクレームがあった。具体的なクレーム内容としては、「正字に変更されたことにより、金融機関への氏名の変更届けが必要になり無駄な労力と時間をとられた」、「登録用の印鑑を作り直さなければいけない」、「直された字は本国にない字なので、本国で手続きする際に困る」などで、利便性を目指したにもかかわらず、不便が生じていることが明らかになった。
  3. 改定住基法と改定入管法の施行により、住居地の届出遅延に対して、外国人住民には日本人住民よりも重い罰則が科される。2012年7月から2014年4月までの期間に、住居地の届出遅延者(日本人住民も含む)を簡易裁判所へ通知した自治体は30自治体(44.1%)、遅延者はいるが通知していないという自治体は22自治体(32.4%)である。簡易裁判所への通知を行った自治体のうち、通知した外国人住民数を明記した自治体(18自治体)の通知総数は756人である。
  4. 50自治体(73.5%)が住基法改定によって外国人住民の利便性が向上した回答している。その具体的理由としては、①混合世帯が同じ住民票に記載されるようになった、②在留期間の更新や在留資格の変更の際に、自治体に届け出る負担が軽減された、③自動交付機やコンビニ交付サービス、公的認証制度の利用や、住所変更等にともなう住民行政手続きの利便性などの点で日本人住民と同様になった、などである
  5. 在留資格取消しに係る法務省からの通知があった自治体は53自治体(77.9%)である。通知に対して、46自治体(67.6%)がそのまま消除、6自治体(8.8%)が調査のうえ消除している。
  6. 多文化共生の推進に係る指針等の策定状況をたずねたところ、46自治体(67.6%)がすでに策定しており、2自治体(2.9%)が策定を検討中である。その一方で、14自治体(20.6%)が、総務省からの通知にもかかわらず、策定の予定はないと回答している。
  7. 外国人住民の「声」を自治体行政に反映するための諮問会議等の制度については、28自治体(41.2%)がすでに制度を導入しており、1自治体(1.5%)が導入を検討中である。その一方で、29自治体(42.6%)は導入の予定なしと回答している。
  8. 外国人住民を対象としたアンケート調査は、住民の「声」を聞くための1つの方法である。43自治体(63.2%)がすでにアンケート調査を実施しており、3自治体(4.4%)が、実施に向けて作成中、あるいは実施を検討している。また、すでにアンケート調査を実施している自治体のなかには、複数回実施している自治体も少なくない。
  9. 自治体職員への外国人住民の採用にはいまだ壁がある。職種によっても異なっているが、とりわけ、一般事務に国籍要件がある自治体が半数近くを占めている(31自治体、45.6%)。さらに、国籍要件がない場合でも、「公権力の行使」という視点から、任用制限がある場合も多い。外国籍職員数については、国籍別の集計はない、公表できないという自治体も多いが、人数を明記した自治体における外国籍職員数から推測する限り、外国人住民比率と比べ外国籍職員の割合は極めて低いといえよう。
  10. 自由記述欄には、新制度の問題点や住民基本台帳対象外の外国人への対応、国への要望など、各自治体担当者からの率直な意見が書かれていた。担当省庁や立法担当者は、日々、外国人住民と接している現場の声にしっかりと耳を傾けるとともに、地域における真の多文化共生が実現するよう、法律や制度をよりよいものに変えていく必要があるだろう。

今回の法改定の目的の1つは、外国人住民の利便性の向上とされているが、改定法施行により利便性が向上したという回答が多数を占めている一方で、不便や問題点を指摘する回答もいくつかあった。加えて、総務省の「地域における多文化共生プラン」策定が、十分に外国人施策に反映されていない自治体もあった。今後とも、真に共に生きる社会を目指して、国と自治体が相互に協力し、共に努力を重ねていくことを強く期待したい。 »第3次アンケート・レポート全文(pdf 677k)

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(5)移住女性2015/3/14(終了)
(6)在日コリアン2015/4/18(終了)
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