このページは、過去(法案の国会審議中~政令省令が未制定だった期間)のaacpサイトのアーカイブです。
情報は当時のもので、現在の改定法・政令などを必ずしも反映していません。 現在のサイトに戻る
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7. 外国人住民票って、
  どんなものになるのかしら?

◇「住民基本台帳」を外国人にも適用するが「住民票」の書式は別

国会に提出されている「住民基本台帳法改正案」によれば、「住民基本台帳法」が「外国人住民」にも適用されます。日本人住民とは別の「台帳」が作られるわけではありません。しかし「国籍」や「在留資格」など従来の「住民票」にはなかった記載事項を含む別書式の「外国人住民票」が作られることになります。
 これらの「外国人住民票」は、日本人の「住民票」といっしょに世帯単位に編成され、「住民基本台帳」を構成します。

◇目的と位置づけ

外国人住民票を作成する目的は、従来の住民基本台帳法が掲げてきた目的と同じで、「住民に関する事務の処理の基礎」とすることによって「住民の利便」(行政サービスの提供など)の増進と「国及び地方公共団体の行政の合理化に資する」とされています(住基台帳法第1条)。
ここには外国人登録法のような「在留外国人の管理」などの目的は含まれていません。住基台帳制度は、市町村が地域の特性に応じて自主的、自立的に実施する「自治事務」と位置づけられています(地方自治法第2条)。
しかし、「住基台帳法改正案」では、外国人住民票に「在留資格」や「在留期限」などを記載し、それらの変更などがあればただちに法務大臣から通知されるなど、市町村に、「自治事務」の範囲を超えて国の事務である「在留管理」の一部を分担させる結果となる条項がいくつもあります。

◇「外国人住民票」の記載対象者者

「市町村の区域内に住所を有する」外国人住民の内、次の人が「外国人住民票」記載の対象になります。
  1. 日本に3か月を超えて滞在するために「在留カード」の交付を受けた人(中長期在留者)
    ただし、「在留期間」を超えて滞在している人(非正規滞在者など)は対象外
  2. 特別永住者
  3. 一時庇護許可者・仮滞在許可者
    難民申請中の人などが該当。ただし現状では、難民申請中の人の大部分は非正規滞在者にされているため、住基台帳制度の対象外となる(設問10参照)
  4. 出生による経過滞在者・国籍喪失による経過滞在者

◇記載事項

「外国人住民票」に記載される情報は外国人登録とは異なり、住民基本台帳の記載事項に準じたものになります。たとえば「世帯」情報が記載され、「勤務先」などは記載されません。
 外国人台帳記載事項の詳細は、図6 住民票/外国人住民票の記載事項比較を参照してください。
住民基本台帳と比べて外国人台帳で大きく異なる記載事項は、
  • 「戸籍の表示」に替えて、「国籍・在留資格・在留期間・在留カード番号」などの、法務省が付与する法的身分事項を記載
  • 「選挙人名簿登録の旨」の記載がない
などです。
図6 住民票/外国人住民票の記載事項比較

◇住基ネットによる個人情報の共有

「外国人住民票」に記載された外国人には「住民票コード」が付番され、これを含む「本人確認情報」が住基ネット上に通知されます。この情報は、住基台帳法別表に規定された範囲の都道府県や国の機関の事務に利用されます。
外国人住民も、希望すれば「住基カード」(「公的個人情報サービス」を使う「電子申請」などに必要)の交付を受けられることになります。

◇法務省入管局と市町村の間での情報共有

「外国人住民票」の個人情報は、法務省入管局が保有する「在留管理情報」と連動することが予定されています。
  1. 市町村長による外国人住民票の変更情報の通知
     「入管法改正案」第61条の8の2の規定によって、市町村長は外国人住民票の記載・消除・修整の情報を、法務大臣(入管局)に通知するとされています。自治事務として収集した「住基台帳」の個人情報を、国による「在留管理」のために提供することは、住基台帳法の目的から逸脱するものです。
  2. 法務大臣から市町村長への法的身分情報などの通知
     「住基台帳法改正案」第30条の50は、「住基台帳の記載の修整」が必要になったと法務大臣が判断した場合は、これを市町村長に通知するとされています。ここで「通知」される情報の多くは、国(法務大臣)が外国人に付与した法的身分情報――在留資格などの喪失・変更などの情報です。
     しかし市町村から見れば、地域住民とはその市町村内に「住所」(生活の本拠)を有する者なので、本来、国籍や在留資格や在留期限によって「住民」を区別する必然性はありません。こうした法的身分情報の市町村への通知は、「非正規滞在者」となった人の「住民票」が消除(削除)されて行政サービスを受けられなくなるといった人権問題を引き起こし、市町村事務に混乱を招きかねません。

◇このQ&Aの印刷用ファイル(PDF)が、右のリンクから
 ダウンロードできます。
◇Q&Aの内容は、現在検討が進められている日本政府の
 公開資料にもとづいて、随時改定追記しています。