このページは、過去(法案の国会審議中~政令省令が未制定だった期間)のaacpサイトのアーカイブです。
情報は当時のもので、現在の改定法・政令などを必ずしも反映していません。 現在のサイトに戻る
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9. 外国人住民票は、問題がなさそうですが?

いいえ、外国人台帳はいくつかの切実な問題を引き起こします。そのもっとも顕著な問題は、オーバーステイや難民申請中の人が、市町村の行政サービスの対象からほぼ一律に排除され、法務省入管局以外の行政機関からは「見えない人間」にされてしまうという問題です。

◇「見えない人間」を作り出す問題

非正規滞在者などが法の保護を受けられなくなり、市町村から「見えない人間」にされてアンダーグラウンド化せざるを得ない状況に追い込まれる可能性は、現在よりもかなり高くなるでしょう
現在の外国人登録制度は非正規滞在者なども対象者にしているため、外国人登録を住民行政の基礎として採用している市町村では、オーバーステイになってしまった人やその家族でも、母子保健・教育その他の市町村が提供する一定の範囲の行政サービスを受けることができています。現在どのような法制度が非正規滞在者にも適用されているかについては、図7 現在の非正規滞在者への法・行政サービスの適用を参照してください。
図7 現在の非正規滞在者への法・行政サービスの適用
<参考資料>外国人の医療と福祉に関する質問主意書及び答弁書 2000.4-5
 質問主意書(2000.4.28 147国会参院質問26)
 答弁書(2000.5.26)
ところが、新しい外国人住民票の制度では、非正規滞在者の住民票は作成されず、あるいは「消除(削除)」されます。従って、現在は受給できている行政サービスが打ち切られ、あるいは保護を必要とする地域住民がいるにもかかわらず無視されるという事態が頻繁に起きる可能性がきわめて大きくなります。
総務省の「外国人台帳制度に関する懇談会」配付資料では、このような「行政サービスからの排除」について、「主な各種行政サービスについても、各制度の判断により不法滞在者には行政サービスを提供しないこととしている。このため、不法滞在者について外国人台帳制度の対象外としても支障はない」と書いています。
 しかし実際には図7にもあるように、生活に密着した「法・制度」は、きわめて不十分だとしても「非正規滞在者」に適用され、その暮らしと基本的人権を支えています。
欧米の実態を見れば明らかなように、今日の世界では一定数の非正規滞在者が存在することは、当然の事実として認識されています。政策が現実への対応策である以上、こうした存在を前提とすることが必要です。それを、「住基台帳」から削除したりはじめから記録しないで(市町村から「見えない人間」にしてしまい)、行政サービス(基本的人権の保障)の対象にしなくても「支障はない」という「政策」は、とうてい現実的な政策とはいえません。また、こうした制度を市町村に押しつけることは、市町村職員や地域社会におけるのモラル低下をいっそう深刻化することになりかねません。

◇外国人の「地方参政権」についての問題

現在、各地の自治体で広く議論され、すでに200を超える自治体で「住民投票」という形で実現されてきている「外国人地方参政権」の付与を忌避しようとする日本政府の考え方が、今回の「外国人台帳制度」構想には強く反映されていると言えるでしょう。
住民基本台帳記載事項のひとつである「選挙人名簿登録の旨」について、総務省は「日本人を前提」として外国人台帳記載事項から外し、自治体によるこうした検討の動きを無視しています。

◇このQ&Aの印刷用ファイル(PDF)が、右のリンクから
 ダウンロードできます。
◇Q&Aの内容は、現在検討が進められている日本政府の
 公開資料にもとづいて、随時改定追記しています。